感動するマーケティング

マーケティングってオモシロいし、世界を感動させることもできる。世の中のアレコレをマーケター観点で切り取ってみるブログ

モノからコトへ。『フジロック』にマーケターが行くべき理由

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こんにちは!様々な業界の企業様を対象に「顧客から愛されるブランド」になるための戦略策定や後方支援を行っている井手と申します。

 

みなさん、毎年、欠かさず楽しみにしている恒例イベントって、ありますか?

 

僕の場合、それはフジロックです!初めて参加したのは2014年だったのですが、その時の体験と衝撃がすごくて、それからは毎年参加するようになりました。今年も参加しまして、興奮覚めやらぬなか、このブログを書いています。

 

ちなみに、フジロックというと、どういう印象がありますか?

 

フジロックに参加する前の僕の印象だと、「音楽好きの玄人向けのフェス」というイメージでした。アーティストのラインナップも渋めの洋楽アーティストが多いし、場所(新潟県の湯沢町苗場スキー場)も遠いし、宿泊も必要だし、チケット代も結構高い(1日券で17000円、3日券で約4万円)。その結果、3日間全部参加しようとすると、宿泊費&交通費含め10万円近くかかってしまう…。そのため、音楽雑誌を愛読していて、タワレコに通うような、音楽にどっぷりハマっている人たち向けのフェスだと思っていたわけです。僕も音楽はもちろん好きですが、「フジロックはちょっと敷居が高いな…」と思って、特に関心をもっていませんでした。

 

しかし、会社の先輩から、「フジロックを楽しむには、別に音楽に詳しくなくても大丈夫!フジロックは”音楽フェス”という枠を超えて、色んな切り口から感動を提供してくれる。人の気持ちを動かすマーケターになりたいのなら、絶対に参加したほうが良い。というか、参加しなさい!」といったようなことをプレゼンされまして、すさまじい熱量に押され参加したのですが、全くその通りでした!

 

ということで、今回のブログでは、フジロッカー歴4年目と熟練フジロッカーズと比べると経験値はまだまだ低いですが、僕なりに「マーケターがフジロックに行くべき理由」を伝えていこうと思います。

 

☑ 時代は”モノ消費”から”コト消費”へ

さて、フジロックの話をする前に、マーケティングに起きている潮流の話をさせてください。「モノ消費”から”コト消費”へ」。こんな言葉を新聞やニュースなどで見かけることが多くなってきました。市場が成熟し、生活に必要なモノは、ほとんど手に入っている現代において、人々の関心は「モノ」の所有欲を満たすことから、経験や体験、思い出、人間関係、サービスなどの目に見えない価値である「コト」に移行してきているという話ですね。”物質的な豊かさ”から”ココロの豊かさ”に興味関心が移ってきているという話として、よく使われます。

 

確かに、FacebookやInstagramなどのSNS上の投稿を見ていても、「○○を購入したよ」とか「この●●(商品やブランド名)がおススメ」といったモノ起点の投稿より、「今日、こんな体験をした!」とか「こんな思い出ができました」といったコト起点の投稿のほうが圧倒的に多い印象がありますよね。マーケティングを行う側からすると、機能として満足を与えることはもちろん大事ですが、顧客のココロを満たす(動かす)ことの重要度が増してきているといえるでしょう。

 

☑どのアーティストが出演するかは二の次。フジロックという空間が好き!

「”モノ消費”から”コト消費”へ」ということを考えたときに、フジロックほど、”コト価値”を創出できている空間は、なかなかないと思います。

 

よく音楽フェスの話になると、「今年は、××(アーティスト名)が、○○のフェスにでるらしいから、○○に行こうぜ」という会話になることが多いですよね。音楽フェスに行く動機として、自分が好きなアーティストが出演するから参加するといった理由が大半を占めていると思います。でも、フジロックは、そうじゃないんですね。もちろん、出演するアーティストも大事ですが、フジロックに参加すること自体に大きな価値を見出している人がとても多いのがフジロックの特徴です。

 

まず、フジロックの魅力を語る上で、苗場の山々に囲まれた景観の素晴らしさは絶対に欠かせません!豊かな森と澄みきった渓流。都会に慣れ親しんでいるものにとって、とても開放的な空間が広がっているんですよね。また、夜の景色も幻想的で心をうたれます。森の中に飾り付けられた沢山のミラーボール。カラフルなイルミネーション・アートで彩られたボードウォーク。昼間とはまた違った魅力を感じることができます。そして、この最高のシチュエーションの中で織りなすライブアクトは、他のライブ会場と比べて別格の味わいをもたらしてくれます。

 

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そして、フジロックの魅力として、よく語れるのが、“ご飯の美味しさ”“会場のクリーンさ”です。「フェス飯」とも呼ばれる屋台での食事は昔から評価が高いようで、日本酒や”もち豚”といった地元・新潟の名産品が数多く出品されているのに加え、ヨーロッパやアフリカなど世界各国の料理が味わえるエリアなど、飲食のこだわりがスゴイ。そして、飲食が充実しているにも関わらず、会場にゴミが少ないんです!フジロックは「世界一クリーンなロックフェス」と世界中で評価されているほどで、来場者にはゴミの回収と分別に協力してもらうように、積極的に働きかけています。

 

また、フジロックの面白い点として、楽しみ方に縛りがないということもあげられるかと思います。フジロックは親子連れでも楽しめるように、会場内にキッズランドと呼ばれる子供が遊べる場所があったり、川遊びもできたりするので、子供たちと夏の思い出を作ることがメインという方もいれば、フジロックの会場を探索することがメインという方もいます。僕の知り合いの一人は、フジロックの空間で飲むビールと食べ物が”おかず”で、音楽は供え物のようなものだと断言していました(笑)

 

「苗場の美しい景色」、「参加者の会場に対するリスペクト」、「食事の美味しさ」、そして、アーティスト達による素晴らしいパフォーマンスが加わることで、フジロックは最高の空間を作り出しています。2016年9月に全世界の音楽フェスティバルを規模、経済効果、影響力、観客動員数から総合的に格付けしたランキング「世界の最重要音楽フェスティバルランキング」というのが発表されたのですが、「フジロック」は、なんと、世界第3位にランクインしているんです!これってスゴくないですか!?ちなみに、日本の他の音楽フェスだと、100以内に「サマーソニック・東京」が74位にランクインされていました。

 

☑来場者はフジロックの「価値共創者」

そして、僕がフジロックの素晴らしいところを語る上で、特に強調したいのが、来場者の皆さんのマインドです。先ほど、会場にゴミが少ないという旨を書きましたが、これは運営側の努力だけではなくて、来場者側の「フジロックを最高のフェスにしよう」「苗場の自然を大切にしよう」という意識が高いから成り立っていると思うんですよね。

 

「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」

その上で、音楽と自然を自由に楽しみ、出演者、来場者、スタッフの全員で創り上げていくフェスティバル。それがフジロック・フェスティバルです。

 

この言葉は、フジロックを運営するスタッフの方々が、フジロックに参加する来場者に向けたメッセージとして掲げているものです。そして、20年を超える歴史の中で、フジロックを愛してやまないフジロッカーズに、このメッセージは浸透していき、まさに全員で創り上げているフェスティバルになっていると思います。ちなみに、フジロックの会場内にあるボードウォークは地元の人たちと共同でフジロッカーズのボランティアのメンバーで作っているそうで、まさにファンが参加するだけでなく、創り上げる側に回っていると言って良いでしょう。

 

常々思うのですが、”コト価値”を極めるには企業からの一方的な発信だけでなくて、顧客を巻き込んだ価値づくりが重要になってきていると僕は考えています。例えば、ディズニーランドも”夢の国”と呼ばれていますが、運営しているオリエンタルランドやキャストの努力だけでなく、訪れるゲストが、「ディズニーランドで素敵な思い出を作ろう」という想いのもと、“思いやり”をもった行動や、「ディズニーの世界観を楽しもう」という積極的な姿勢が“夢の国”を創りだしていると思うんですね。

 

ディズニーランド、スターバックス、無印良品…などは、顧客との”価値共創”を創りだしているブランドとして、マーケティングに関する書籍やニュースでモデルケース事例として取り上げられることが多いと思うんですが、僕は、その中に、フジロックも入れたほうが良いと本気で思っています。

 

☑最後に

このように、フジロックは奇跡的な空間を創り上げることに成功しているわけですが、フジロックも初めから今の状態があったわけではないし、今後もこの状態を繋げていくためには新しいチャレンジも必要なわけで、そこにマーケターとしては学ぶことがとても多いと思っています。

 

「顧客を感動させたい!熱狂させたい!」という志のあるマーケターの方は、是非、一回はフジロックに参加して、この空間を肌で体験してもらいたいです。熱狂は苗場にあります!

 

☆フジロックの風を感じることができる素晴らしいオフィシャル動画(こちらは2016年のダイジェストムービ。2017年版が楽しみ!)があるので、是非、見てみてください!

 


20th Anniversary FUJI ROCK FESTIVAL’16 Aftermovie