感動するマーケティング

キンコン西野さんとヤッホー井手社長。『革命のファンファーレ』を鳴らす2人から学ぶべきこと。

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こんにちは!SNS×コミュニティ×PRを通じて、様々な企業・団体の『ファンづくり支援』に日々奮闘しております「沸騰ナビゲーター」こと井手 ( @kei4ide ) でございます。

 

みなさん、キングコングの西野さんの新著『革命のファンファーレ』は、もう読みましたか?

買ったけど、これから読む方。これから買って、読もうと思っている方に一言。

安心してください。期待を遥かに超える一冊になっています。 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 ※ちなみに、西野さんのブログにて、『革命のファンファーレ』の冒頭の40ページを無料公開しています。「買うかどうか迷っている」という方は、まずはコチラで試し読みしてみてください(グサッとささるハズです)。

 

モノが売れないと嘆かれる時代において、『ファンづくり』に関する2大イノベーターとして、僕が心から尊敬してやまないのが、西野さんと「よなよなエール」でお馴染みのヤッホーブルーイングの井手社長(通称、てんちょ)です。

 

二人が言ってること、やってること、成功している要因は、僕は一緒だと思っていて、それは、『信用』をつくることに最大限注力しているということだと思うんです。

 

「自社のファンを増やしていきたい!」というのは企業のマーケターなら誰もが思っていることだと思います。そこで、「ファンを増やしたいなら、まずは”信用”を増やすべし!」ということを、これからのマーケティングのスタンダードにしていきたいと僕は考えていて、現在 『信用を増やすことのパイオニア』である二人がもっと接近して世の中に発信していってもらえたら最高だな、と勝手に思っていました

 

そんな折、西野さんとてんちょのFacebookから情報を得たのですが、先日、西野さんがMCを務める番組『ハミダシター』のゲストとして、てんちょが出演し、めちゃくちゃ盛り上がったらしいです!(放送はこれから)。 しかも、この二人を繋いだのが、『人生の勝算』の著者でSHOWROOM代表の前田裕二さんというから、また熱い。まさに、望んでいた展開だと、一人で超興奮してしまいました!西野さん、前田さん、てんちょの3人で飲む時は、是非とも、SHOWROOMでLIVE配信してほしいです。

 

ということで、「信用持ちの個人・企業こそが、これからの時代は成長していきますよ!」ということを社会に広めていきたく、今回のブログでは、西野さんとてんちょ及びヤッホーブルーイングの共通点を僕なりにまとめてみました。大きくは以下の3点です。

 

  1. 自分の主義・主張を堂々と発信できる『環境』を築くこと。依存先をつくらない。
  2. 目先の利益に走らないこと。『感謝』されれば、リターンは後からついてくる。
  3. 壮大な物語を語ることで『期待』を背負うこと。期待がないところに熱量は生まれない。

 

ちょっと長いのですが、精魂込めて書いてみたので、お付き合いいただけると幸いです!

 

意思決定の舵は「脳」ではなく、「環境」が握っている。(『革命のファンファーレより』より)

まずは、『1、自分の主義・主張を堂々と発信できる『環境』を築くこと。依存先をつくらない。』ということから。

 

西野さんがよくおっしゃることの1つに、「認知」と「人気」は違っていて、有名だからと言って、お金を払って応援したいほど人気が集まっているわけではないという話があります。その証拠に、TVに出演している有名タレントがクラウドファンディングで支援を集めようとしても、資金が全く集まらないケースが続出しています。

 

そして、この背景にあるのはTV番組からの収入に頼り切ってしまい、TV番組やスポンサーのご機嫌とりに注力せざるを得ないタレントの悲しい『環境』にあると西野さんは指摘しています。自分の意見や主張を押し殺し、スポンサーやTV番組ディレクターの望むままに振舞うタレントに対して、スマホやインターネットの発展によって賢くなった視聴者は「この人、嘘ついているな」とわかってしまうので、信用や人気が下がってしまうという話です。

 

逆に、ファンからのダイレクト課金 ( 例えば、グッズや、イベントのチケット販売など ) で生活や活動が成り立っているアーティストやクリエイターは強い。嘘をつく必要がなく、自分の主義・主張を堂々と発信し、行動し、それに共感したファンがダイレクト課金により応援するというループができあがっているからです。西野さんも、もともとはTVタレントでしたが、今は完全にこのループの中に入っています。

 

そして、これは芸能人だけでの話ではなくて、企業も同じだと僕は思っています。例えば、わかりやすいのは、メーカー企業。

 

メーカーの最大の依存先は、小売店です。食品や飲料であれば、コンビニやスーパー。日用品や化粧品ならドラッグストア。小売店の基本的な要望は、どこも同じで、「今すぐ、売れる商品をもってきて」です。小売店の場合、売れない商品はすぐに売り場の棚から落とされてしまう。しかも、そのスピードは、POSレジの発展によって、どんどん加速しています。

 

そのため、どうしてもメーカーは小売店の都合に合わせて『短期的な売上』に意識がいってしまいます。結果、起こってしまうのが、目新しさを装った新商品開発の乱発や、TVCMなどによる誇大広告やインパクト重視のキャンペーンです。だけど、残念なコトに、ほとんどの商品が店頭にでてから瞬く間に消えていっています。少し古いデータですが、2004年に発表された中小企業白書によると、市場にでた商品の20%は1年以内、50%は2年以内に姿を消していっているそうです。おそらく、現在、この数値はもっと伸びているのではないかと思います。膨大な手間暇やお金をかけて新商品開発や広告・キャンペーンを行ったにも関わらずです。

 

これもTVタレントの話と一緒で、賢くなった生活者は、企業の広告や新商品には簡単に踊らされないし、誇大広告や表現はすぐに見破られてしまうからではないかと思います。なにより、スマホとインターネット技術の発展によって常時どこでも良質なエンタメに触れられる現在、企業発信の広告や情報は、なかなか頭の中に入らないし、一時的に入ったとしても、次々へと溢れてくる新商品情報やキャンペーン情報に塗り替えられてしまうと思うんですね。

 

つまり、「認知」はされていても、「人気」がないんです。

 

この果てなき消耗戦を打破するには、僕は小売店への依存度を下げるしかないと思っています。つまり、ダイレクト課金による収入を増やして、『短期的な売上』を求める小売店都合のマーケティングを展開するのではなく、アーティストのように”自社らしさ”を根強く発信し、共感を深め、その結果、売上が発生するといったループを築くということです。そんなことをすると小売店との関係性が悪化するかもしれないという懸念があるのもわかります。だけど、長期的な目線で見ると、確実にこっちのほうがメーカーも小売店もハッピーになれると僕は考えています。

 

そして、そう思わせるきっかけを作ってくれたのが、ヤッホーブルーイングです。

 

お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。(『革命のファンファーレより』より)

ヤッホーさんの歴史を紐解くと、ヤッホーさんの成長において、『楽天市場』の存在、ひいてはネットショッピングの発展がいかに大きかったのかがよくわかります

 

今のヤッホーさんの好調ぶりからすると想像がつきませんが、2000年代の前半、地ビールブームが去り、「地ビール」というカテゴリーに対する評判が社会的に悪化し(ブームにのって参入してきた会社が、品質の悪い地ビールを量産してしまったため)、どこの小売店からも見向きもされなくなり、売上が低迷していた時代がありました。8期連続で赤字だったそうです。そんな『よなよなエール』を救ってくれたのは楽天市場でした。いや、むしろ、小売店が取り扱ってくれない状況が続いていたヤッホーは楽天市場に生き残りをかけるしか道が残されていなかったのかもしれません。

 

「なんとなくこの商品が良いかな」と比較的ライトな動機で商品を選ぶコンビニやスーパーでの買い物と違い、ネットショッピングは、わざわざECサイトまでいって、わざわざ郵送料を払ってまで購入いただくことが必要になります。そのため、必要になるのは、ヤッホーの「個性」を発信し、興味を持っていただき、共感を集め、「ヤッホーブルーイングって、オモシロいじゃん!」とファンになっていただくことが重要になります。

 

愚直なまでに、個性を磨き、ファンに喜んでいただくために様々な取り組みを行って言った結果、ヤッホーさんをダイレクト課金で支持してくれるファンは、現在、めちゃくちゃ増えています。「年間契約」というヤッホーさんのビールが定期的に自宅に届くサービスに申し込んでいるファンの数は年々増えていっているそうですし、ヤッホーさんがファンイベントを開催すると、発売と同時に即完売の状態が続いています。

 

現在、ヤッホーさんのビールはコンビニやスーパーでも置かれるようになりました。ヤッホーさんから営業をしなくても、ネット上での売れ行きを知った小売店から、「ウチでも置きたい」と逆にお願いされることが増えてきたそうです。このように、ダイレクト課金によるベースがしっかりと作られているので、フェアな関係で小売店さんとお付き合いされているように僕には見えます。そして、このことは小売店にとっても価値を提供しているように思えます。

 

わかりやすいのが、ローソンさんの事例です。ヤッホーさんとローソンさんで共同開発して全国のローソン酒販店のみで販売した『僕ビール。君ビール』というシリーズがあるのですが、この新発売記念イベントを発売初日に実施すると、なんとローソンの担当者の方から「発売初日にこれだけビールが売れて、お客様の反響があったのは記憶にないよ!」と言っていただけるくらい盛り上がったそうなんですね。

 

そして、この盛り上がりが生まれた背景が何かというと、ヤッホーのファンベースがしっかりとできているので、ヤッホーファンがこぞって発売日に動いたからだと僕は思うんですね。もちろん、新商品のコンセプトやクオリティが素晴らしいこともあるし、ヤッホーさんが発売タイミングで実施したイベント企画が面白かったということが成功要因に十二分にあるのは間違いないです。ただ、それまでにヤッホーを信用して、応援したいと思ってくれているファンが沢山いたからこそ、新商品やイベント企画が爆発的に盛り上がったのだと思うんですね。

▼『僕ビール。君ビール』発売時に実行されたイベント企画の内容自体も、もちろんスゴい面白い。詳しくは、以下のまとめをどうぞ。

togetter.com

 

つまり、ダイレクト課金によるファンベースの基盤があるメーカーは小売店の売り上げを奪う企業ではなくて、小売店にお客さんを運んでくれる超優良企業なんです。

 

繰り返しになりますが、ファンを育てるには、『信用』が必要です。そして、信用を集めるには、自分の主義・主張を正々堂々と発信していくことが大切です。そのためには、嘘をつかない、他社(他者)に意思決定の舵を委ねない『環境』をつくることが重要となってくるのです。

 

西野さんが『革命のファンファーレ』の中で説いている【意思決定の舵は『脳』ではなく、『環境』が握っている】という言葉。まさに、これです!西野さんも、てんちょも、自分たちの主義・主張に従って行動できる環境を作っているからこそ、『信用』が集まっているのだと思います。

 

入り口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ。(『革命のファンファーレより』より)

次は、『2、目先の利益に走らないこと。「感謝」されれば、リターンは後からついてくる。』という話です。

 

西野さんというと、クラウドファンディングの成功者として語られることも多いですよね。これまでに実施したクラウドファンディングの合計支援者数は、1万5000人を突破し、合計支援額は1億円を突破。クラウドファンディングの国内歴代トップの数字とのことです。

 

なぜ、ここまで支援者が集まるのか? 繰り返しになりますが、西野さんに対する『信用』が高いからなんですが、表現を変えると、西野さんを『応援』したいファンが多いからだと思います(僕もその一人)。

 

西野さんは、『嘘をつかなくて良い環境』に身を置き、自分の主義・主張に従って堂々と行動しているわけですが、それだけでなく、ファンの方々に応援していただくために身を粉にして動いているんですよね

 

先日、僕は渋谷にあるBOOK LAB TOKYOという本屋さんで開催された『革命のファンファーレ』の発売を記念した西野さんのトークイベントに参加してきたのですが、定員は大体60名程度(もちろん、チケットは即完売)。西野さんのように強力なオウンドメディア(ブログやTwitterアカウントなど)を持っているのであれば、オンラインで書籍の魅力を伝えるための動画を配信したほうが圧倒的に多くの人にリーチできると思います。それなのに、わざわざ60人規模のイベントに足を運んでくれました。しかも、イベント中の西野さんの対応はすごく丁寧で、サインにも快く応じてくれます。

 

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※著書撮影 (BOOK LAB TOKYOのトークLIVEにて)

 

西野さんは、こういった活動をかなり積極的に行っています。

 

なぜ、こういう事をしてくれるのかの理由は2つあると僕は思っていまして、1つ目は『熱量を届ける』ためです。「時間を共有したほうがファンは増えやすい」とSHOWROOMの前田さんが以前おっしゃっていましたが、オンライン・オフライン問わず、時間を共有することで生まれる熱狂というのは確実にあります。そして、オフラインほど、その熱量は高まります。ダイレクト課金してくれるほど、熱量をもって応援してくれるファンを増やすためには、ファンのもとにこちらから足を運ぶ必要があるということを西野さんは理解しているのだと思います。

 

そして、もう1つは、いやらしい表現ですが、ファンに『感謝』を感じさせるためです。Twitterやブログ上での投稿で、西野さんが時間が足りないくらい動き回っていることを我々イベント参加者は当然知っています。それにも関わらず、わざわざ足を運んでくれて、丁寧に対応してくれていることに対して、「ここまでやってくれるのか…!ありがたいな。何か恩返しをしないと…」と僕たちファンは思ってしまうわけです。これはイベントだけの話でなくて、SNSやオンラインサロンでもそうです。Twitter上で西野さんに関するツイートをすると積極的に反応をしてくるし、オンラインサロンでも想像以上にコミュニケーションをとってきてくれます。その結果、『感謝』を感じた僕らは「恩返し」として、熱心に西野さんの書籍を友人・知人に薦めたり、西野さんがクラウドファンディングで企画を立てると支援したりするわけです。

 

まずは、ファンに感謝してもらうために出来る限りのことを捧げる。その結果、大きな信用やリターンが後からついてくる。こういうサイクルを西野さんは意識的に回していると『革命のファンファーレ』で語っています。

 

実は、ヤッホーのてんちょも全く同じことを言っています。『まずはファンを喜ばせよう。お客様が喜んでくれれば、売上は必ず後からついてくる。』という話です。

 

例えば、ヤッホーさんのファンイベントに1,000人のファンが軽井沢のキャンプ場に集合して、ヤッホーファン同士で楽しい時間を過ごす『超宴』というイベントがあります。僕も参加したことがあるのですが、ヤッホー社員の皆さんが総出で、ファンに楽しんでいただくために全力を尽くしている姿に、とても心が打たれます。このイベントがきっかけでヤッホーの大ファンになった人も多いと思います。


▼『超宴』の魅力がつまった素晴らしい動画があるので、見てみてください! 


よなよなエールの超宴 in 新緑の北軽井沢2017 after movie

 

だけど、聞いた話だと、この超宴はイベント単体としての利益をみると大赤字とのことです。金銭的なコストだけでなく、社員の皆さんのイベントまでの準備や当日の人的コストもバカにはならないと思います。そして、ヤッホーさんは、超宴だけでなく、このように単体で判断すると赤字になっているのではないかと思われる企画・施策を積極的に行っています。メルマガも創意工夫を凝らしているし、年間会員に届く冊子もどんどん力作になっていく。80名規模のファンイベントも定期的に各地で開催している。西野さんと同じでSNS上でのコミュニケーションもスゴく丁寧だし、オモシロい。その分、手間暇かかっていて、人的コストなども含めると確実に赤だと思われます。

 

しかし、このようなファンを喜ばせる行動が、巡り巡って、その後のリターンにつながっていっているのは、ヤッホーの業績からみても明らかです。ビール市場全体が右肩下がりしているにも関わらず、現在、12年連続で増収増益ですよ。

 

西野さんが『革命のファンファーレ』の中で説いている【入り口でお金を取るな。マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ】という言葉。これは、言い換えると、まずはファンのために身を捧げて、『熱量』と『感謝されること』を届けて『信用』を稼げということだと思います。信用が出来れば、お金はいかようにも回収できると。西野さんも、てんちょも、ここを徹底しているわけです。

 

ディズニーがジャングル系の作品の公開を発表したら、「そろそろ西野がでてくる」(『革命のファンファーレより』より)

最後は『3、壮大な物語を語ることで、「期待」を背負うこと。期待がないところに熱量は生まれない。』です。

 

西野さんを応援する根本的な理由とは何なんでしょうか? それは、西野さんが嘘をついていないからでもなく、親切で丁寧な人だからでもなく、西野さんが、めちゃくちゃ面白いビジョンを持っているからだと思います。つまり、従来と違ったやり方で、あのウォルト・ディズニーを倒すというビジョンです。そして、「西野さんなら本当に倒せるのではないか?」という『期待』で僕たちファンは熱くなるわけです。

 

この『期待』を背負えるかどうかが、「ファンづくり」においては、非常に大事だと思っています。

 

先日のトークイベントで聞いたエピソードがとても印象深いので共有です。西野さんがデビューした頃は、お笑いライブをすると、3,000人くらいのファンが出待ちしていたそうです。とんでもない人気ですよね!しかし、TVに出演し始め、時が経つにつれ、ライブをしても出待ちどころか、なかなか人が集まらなくなっていったそうなんです。その理由を西野さんなりに分析してみたところ、デビューした頃はファンの皆も「もしかしたら西野なら、明石家さんまや、ビートたけしを超えてくれるのではないか?」という期待感が膨らんでいたのが、TVに出演するうちに、「結局、さんまさん達には勝てそうにないな…。」とファンの期待感が醒めてしまったからではないかということです。

 

それに気づいた西野さんは、現在、「ディズニーを倒す」というファンの『期待』を背負って動いているわけですが、僕が、とても面白いと思ったのは、ディズニーを倒した瞬間にファンの中で熱狂が終わってしまうので、「いつまでも、ディズニーに勝っちゃいけない」という話です。

 

西野さんは2~3年以内にディズニーの新作アニメ映画と映画『えんとつ町のプぺル』の公開タイミングを合わせて、興行収入でディズニー作品に勝つために、作戦を沢山練っています。しかし、ここで勝利してしまうと、西野さんをファンが一生懸命に応援する動機が薄れてしまいますよね。そのため、勝ったとしても、「ディズニーはヒット映画を沢山作っている。西野は、まだ一本だけだ」とか、「ディズニーはディズニーランドを世界中に作っている。西野はそこまで到達していない」といった具合に、「ディズニー帝国に西野はまだまだ勝てていなく、戦いはこれからも続く」というストーリーを想定しているそうなんです。

 

この話はスゴく面白いと思っていて、『物語』は終わらせてはいけないということです。やっぱり、物語があるところにしか熱狂は生まれないのだなと確信しました。

 

ヤッホーさんの物語も壮大です。「ビールに味を!人生に幸せを!」というミッションを会社として掲げているのですが、てんちょや、ヤッホー社員の皆さんの合言葉は「めざせ!世界平和」、「めざせ!ノーベル平和賞」です。

 

▼ヤッホーの皆さんの想いがつまった素晴らしい動画があるので、見てみてください!


ヤッホーブルーイングとは?

 

そして、この「めざせ!世界平和」なんですが、とっても美味しいビールや個性的な味わいのビールを提供して、ビール文化を豊かにしていくということは、もちろん含まれていますが、そういうことだけではないと僕は思っているんですね。ヤッホーブルーイングという会社の存在感や、ヤッホーさんとつながっている個人や会社を増していくことで、「お金=ストレスの対価」といった従来の資本主義の企業カルチャーを打破し、社員も、お客さんも、取引先も、みんながワクワクして、幸せになっていく社会を創り上げようという想いも、この言葉に含まれていると思います。

 

その証拠にヤッホーさんは、ヤッホーに学びたいという人に対して非常にオープンです。例えば、JALさんとの取り組み。

www.itmedia.co.jp

「社員自身がワクワクしないと会社は元気にならない。どうすれば社員がもっとワクワク働く会社になるのだろうか」というJALの情熱溢れる若手社員からの相談を受け、現在、ヤッホー×JALで「JAL社員がもっと仕事にワクワクするためのプロジェクト」を実行しているそうです。これって、スゴくないですか?社員数が約150名くらいのクラフトビールの会社が、3万人以上の社員を持つ伝統的な航空会社の企業カルチャーを変える取り組みをサポートしているわけです。普通のビール会社じゃ、絶対にこんなことしないと思うんですね。だけど、こういう取り組みをしている姿を見せられることで、僕たちヤッホーファンは「本気で世界平和を狙っているんだ!」と応援したくなってしまうわけです。

 

「ディズニーを倒す」、「ノーベル平和賞をとる」。両方とも普通に考えれば、壮大すぎて、「そんなの無理だろ!」とツッコまれて終わりです。だけど、西野さんも、ヤッホーさんも、「もしかしたら、やってくれるんじゃないか…」という『信用』が高いから、『期待』が生まれています。だから、ファンが生まれるし、ファンは熱狂的に応援したくなる。

 

つまり、まずは『信用』がベースにあって、そこに応援したくなる『物語』がのっかり、ファンの『期待』が醸成され、『熱狂』が巻き起こる。西野さんも、てんちょ及びヤッホーさんも、このループがしっかりとできているから、熱狂的なファンに囲まれているのではないかと思います。

 

キミの革命のファンファーレを鳴らすのは、キミしかいない  (『革命のファンファーレより』より)

ということで、西野さんとてんちょの言ってること、やってること、成功している要因の共通点を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

繰り返しになりますが、お二人が行っていることは、ほぼ一緒だと僕は思っているので、西野さんとてんちょがタッグを組んで、『信用』を獲得していくことの重要性を、より発信していってほしいと勝手に願っています。

 

西野さんの大活躍。ヤッホーブルーイングの大躍進。これが同時期に行っているのは偶然ではなくて、必然でしかないと僕は捉えています。ものの売り方が変わり、働き方が変わり、お金の形が変わり、常識が変わり、ヒトの生き方が変わっていく現代において、まさに『革命のファンファーレ』が、鳴り響いているわけです。

 

ヤッホーさんのようになりたいけど、従来のやり方から脱却する勇気ある一歩を踏み込めなかった企業担当者さんは、西野さんの活躍ぶりを見てほしいです。ヤッホーさんと同じようなやり方、考え方で大成功を収めています。

 

かくいう僕が、西野さんや、ヤッホーさんの革新的な行動と、そこから生まれた『熱狂』を見て、一番勇気をもらったのかもしれません。

 

単純にモノが売れなくなっている現在、『信用』が価値を生む時代に確実になってきています。『信用』を得るために、今、何をするべきなのか?

 

それぞれの、『革命のファンファーレ』を鳴らしていきましょう!では、これにて。

 

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★ 『革命のファンファーレ』を呼んでビビッときた人なら、ヤッホーブルーイングのてんちょの本も、是非、読んでみてください。得るものが確実にあるはずです。

 

SHOWROOM代表の前田裕二さんの著書『人生の勝算』も、『革命のファンファーレ』や、上記の『ぷしゅ、よなよなエールがお世話になります』と並ぶ名著です。まだ、読んだことのない方は、読んでみてほしいです!

kei4ide.hatenablog.com